地域を識り、防災をデザインする

ご挨拶

秋田県生まれの信州人です。5年ほど前に縁あって東京都から南箕輪村へ、その後茨城県つくば市に移るも、山が恋しくなり信州に戻り現在は松本市在住です。初めて行った土地では水道水を直接飲むのが好きなほどの水好きで、山々に囲まれた松本平の湧水や井戸、用水など、水が豊富で景観が素晴らしいところが気に入っています。その一方で傾斜地が多く河川は急流ばかり、日本屈指の大断層が南北を縦断し時に災害が起きることも。我が家にはオカメインコ3羽がおり、災害時に避難所へ同行避難する際どうしようかと本気で悩んでいます。地理学をベースに人文社会科学から工学分野まで様々な分野の方々と仕事をする中で、研究分野を問わず研究成果を広く知ってもらう必要性を強く感じてきました。特に一般の方々に興味を持ってもらえる伝達方法の必要性を強く認識し、これからも様々な取り組みを行っていきたいと考えます。
横山 俊一

● 経歴

● 研究のはじまり

大学2年の野外巡検の時に水文学分野を履修したことから水に関する研究をはじめました。大学院に入りあちこちのフィールドで地元の人たちと話すうちに、河川や用水路等の水利用形態の研究に惹かれていきました。その後、故郷の秋田を流れる酸性河川である玉川をフィールドに研究を始めました。酸性河川は休廃止鉱山や温泉の排水により水質変化した河川で、水利用にいろいろと問題があり対策を行う上でもやっかい事が出てきます。生物の少ない河川は透明度も高い見た目はきれいな川です。けれど見た目がきれいだから生物が住みやすい訳ではないことは、中国の歴史書『宋名臣言行録』のなかで「水清ければ魚棲まず」と言われた通りです。玉川は「毒水」とまで呼ばれていたのです。

さて、玉川をはじめとした水質対策を行った河川流域住民の多くは、恒久的な対策を施した安心感からか河川環境によせる関心が希薄化していることを危惧するようになりました。いくら恒久的な対策とはいえ突発的な事故等によるリスクも存在することから継続的な注意喚起が必要です。これは「堤防を高くしたから決壊しない」「ダムを設置したから洪水は起きない」「砂防堰堤をつくったから土砂災害は発生しない」と同じです。昨今の自然災害は私たちの想像を超えてきています。環境が変化する今こそ地域の特徴に目を向ける時ではないでしょうか。

かくして常日頃から地域環境や様々なサイエンスへ興味関心を持ってもらうことの重要性を感じ、地理学を中心とした研究成果の活用について考えています。 多くの方々に地域の面白さに気付いて興味を持ってもらうことを目指し、様々な研究分野の面白い人達と楽しみながら活動していきたいと思います。